【3つの軸お金編】家づくりを失敗しないために準備しましょう【第3回 期間を決めましょう】

3つの軸【お金編】失敗しない家づくり お金
3つの軸【お金編】失敗しない家づくり

さて、3つのバランスお金編
家づくりを失敗しないための準備
第3回「期間を決めましょう」です。

前回は、「月々から決めましょう!」について書きましたが、その中では、月々の支払額をご家族の中で決めてから家づくりをすることをおすすめしました。
その中では、余裕を持って組むべき理由等を書きましたが、その考えをもとに家計の中から住宅費に充てられる額を想定したら、次は、期間と金利が決まれば、家づくりの金額が見えてきます。
この二つそれぞれに大切な考え方があると思っているので、それぞれ回を分けて書いていきます。
今回は「期間」についてです。
前回のブログはこちら

これまでのブログと同じですが、今回の「期間」というテーマでもそれぞれのご家族により条件が違いますし、もちろん年齢によってもローンを組める期間が違うので、あくまでも「考え方」について書いていきます。もちろん参考例をつけながら書いていますし、できる限りわかりやすいように、自分の経験談をもとに書いていますので、ご自身でローンを組む上で参考にして頂けるような内容にできればと思います。

まずは住宅ローンがどれくらいの期間が組めるのかについてお話しします。
みなさん長期間組めることはお分かりだと思いますが
期間については、以下の2つによって最長の借入期間が設定されています。

1つ目は、金融機関が定める最長年数
2つ目は、ご自身の年齢による制限
です。

1つ目の、金融機関が定める最長年数については、基本的には35年の金融機関がほとんどです。住宅金融支援機構では、最長50年のローンもありますが、35年の金融機関が大多数を占めるので、ここでは35年を前提に説明していきたいと思います。

2つ目の、年齢による制限についてですが、金融機関が最長35年ローンで組める設定であったとしても、例えば60歳の人が95歳まで組むのは現実的ではないですよね?なので、金融機関ごとに完済時の年齢を定めています。多くの金融機関では75歳から80歳までを設定している金融機関が多いと思います。

これらが借入可能期間ですね。

次に、住宅ローンを組む人はこの期間の中で自身で期間を決めていくことになりますが、決める上で誰もが気になるところは、
住宅ローンは
「短く組んだ方が良いのか」
「長く組んだ方が良いのか」
だと思います。
これは、比較例を作ってみてもらった方が早いですね。
35歳夫婦+お子さん1人(3歳)のご家族が3,000万円のローンを組んだ場合を想定しましょうか。
※あくまでも比較のための計算なので、金利全期間固定として計算してます。
金利の考え方は次回詳しく説明しますのでここでは割愛します。
【ケース①】金利1.3% 期間30年で組んだ場合
月々100,681円
総支払額36,245,144円
利息合計6,245,144円
【ケース②】金利1.3% 期間35年で組んだ場合
月々88,944円
総支払額37,356,564円
利息合計7,356,564円

これらを見ると、それぞれのメリットとデメリットが見えてきます。
パッと見、以下の通りですかね。
「短い期間で組む場合」
・メリット
支払い総額が低い
・デメリット
月々の支払いが大きくなる
「長い期間で組む場合」
・メリット
月々の支払いが安くなる
・デメリット
支払い総額が多くなる

差を見ると5年の差ですが支払い総額で約110万円違いますね。借入金額が上がるともっと差が広がります。これを見ると、誰もが安く済んだ方が良いので、同じ額を組むなら総支払額が安くなる「短い期間の場合」方が断然良い気がしますよね。

でも、私が今回すすめるのは
結論からいうと
「可能な限り長期間で組んでください」

です。

ここからはその理由について書いていきます。
理由については、以下の二つです。

理由その1は、ローンの仕組みにあります。
具体的にというと、住宅ローンに限らず借金は、一回借りた後に返済期間を延ばすことが難しいからです。詳細は書きませんが、例えるなら友達に「今月の給料日までお金かして?」と言われて貸したのに、「やっぱり来月の給料日まで待って?」と言われても簡単に許せませんよね?なので一回借りたローンは基本的には先延ばしは難しいと思っておいてください。
では逆はどうでしょう?
「長く組んで短くすることは簡単」なんです。
これは先延ばしとは逆で友達に「1ヶ月後に返してね」と言って貸したお金が、1週間後に帰ってきたら嬉しいですよね(銀行からしたら入ってくるはずの利息分が減るっていうのもあるかもしれませんが)
これは正式に仕組み化されていて、繰上げ返済というやり方です。
(金融機関によっては手数料がかかりますが、ネットでの手続きやまとまった額を入れることで手数料かからない金融機関も増えています。)

理由その2は支払い額に余裕を持つべきだということです。
前回の記事でも同じようなことを言いましたが、前回は計画段階で後悔しないための余裕について話しました。今回は支払い計画でも余裕を持って組みましょうということです。

つまり上の二つの理由で共通して言いたいことは、
住宅ローンは「リスクを最大限に減らしましょう!」
ということです。

住宅ローンは個人で組めるローンでは最長のローンだと思います。でもこの長期間のローンを組んでいる間に、何があるか全てを想定できる人がいますか?昨今のコロナ禍や天災もありますし、世の中の時代の流れも私が幼少期を過ごした時代とは比べ物にならないスピードで変化しています。なので例え10年後でも誰にもどうなっているかわからないのではないでしょうか。
そのため、数十年ローンを組む上で、気をつけなければならない最大の事柄は、「リスクをいかに減らしていくか」
だと私は考えています。
なので、月々の支払い額が、期間が短くても払える額だったとしても、住宅の総予算とのバランスをとりながら長期間組むことで支払いを低く抑えつつ、お子さんの進路の確定など、ご家族のライフプランの中で大きな出費のリスクが減ってきた段階で支払い計画を変更できるようにしておくのが、当初しておけるリスク対策としては最善の手であると私は考えています。
ちなみに繰上げ返済時は、(金融機関の設定にもよりますが)支払い年数を短くすることもできますし、月々の支払いを低くすることもできます。前者はもう家族の大きなイベントが終わりリスクが少なくなってきたときにおすすめです。後者は、余裕はできたがまだリスクはあるなと感じる時におすすめです。

住宅ローンは長く組んで余裕ができたら繰上げ返済をしていきましょう。

次に、長期間で組んだ場合に確認して欲しい事柄を書いていきます。
それは、「定年退職時のローン残高の確認」です。

今までの記事で、長期間でローンを組んで余裕を持って下さいと書いてきましたが、それはあくまでもリスク対策の余裕です。つまり何かあった時は、その余裕を食ってしまうことがあり得ます。なので、退職金や、退職時までの貯蓄の予定額がこの定年時の残高以上にある状態を想定できなければ、仕事がなくなった時に払い続けることができず、売りに出さなければならないかもしれません。(ちなみにこのことはかなり大切な事柄ですが、先の話すぎて現実感がないのか、みなさんあまり計画時に気にしていません…汗)
もし定年後に仕事が無くなってしまい払えなくなったらせっかくこれまで何十年も働いて頑張って払ってきたものを売りに出さなければならなくなって賃貸住宅へ逆戻りの可能性もあるので、この残額はローンを組むタイミングや、繰上返済をしたタイミングでぜひおさえておいてください!

ちなみに先ほど説明した上記の計算のケース(35歳夫婦+お子さん1人)で65歳が定年だった場合
【65歳定年時残高】3000万年 金利1.3% 期間35年で組んだ場合
35年中の30年目最終月
元金残高5,164,296円(一括で払えば終了の額)

この残高が、高すぎて無理だなと感じたら、計画の見直しも一つです!

あとせっかくなので、最後に同ケースで繰上げ返済した時の金額の例を書いて最後にしたいと思います。

※※繰上げ返済の例※※
前提条件
1)[ケース①30年払い] [ケース②35年払い]での、
月々の支払い差額(①100,681円ー②88,944円=11,737円)
を全て貯蓄に回せて全額繰上返済に充当できる状態
2)繰上返済は期間短縮型とする
3)定年退職は65歳

【イベント①】子供の大学卒業時(ローン20年目)
繰上返済前
借入年数残 15年
ローン元金残高 14,538,676円
貯蓄額 11,737円×20年≒2,810,000円
繰上返済後
借入年数残 12年
ローン元金残高 11,728,676円

【イベント②】定年退職(ローン30年目)
繰上返済前
借入年数残 1年11ヶ月
ローン元金残高 2,019,449円
貯蓄額 11,737円×5年≒700,000円
繰上返済後
借入年数残 1年3ヶ月
ローン元金残高 1,315,229円
返済総額 36,827,309円

最後少し定年時の残高が残りますが、130万円なら子供が独立したあと払えるかなぁ?ってことが想定できるといいと思います。
(繰上返済の返済総額は、30年ローンの返済総額36,245,144円との差は582,165円まで縮まりました)
これらは繰上返済がもっと早くできればできるほど、金額が大きければ大きいほど返済総額は低くなっていきます。
ちなみに、
前回の記事で紹介したアプリ
ローン計算iLoanCalc
で計算できます。
今回は書いた「リスクを最大限に減らしましょう」ということを念頭に、色々想定して計算してみて下さい!

それでは次回は、今回のシリーズの最終回
「金利を決めましょう」
を書きたいと思います。
また読んでみてください!

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